ュージーランドでは、マヌカという特有の低木の花から美容や健康増進効果のあるマヌカハニーが採れるだけではなく、その葉からは、数ある精油の中でも素晴らしい抗菌効果を持つマヌカオイルが作られていることは『口腔ケアに有効なマヌカオイル』で紹介しました。
では、ニュージーランドにはマヌカと姿形がよく似ていて、名前も紛らわしい「カヌカ」という同じMyrtaceae属の低木のあることはご存知でしょうか?ここでは、この「マヌカ」と「カヌカ」の違い、それらから得られるハチミツやオイルの違いについて説明します。

マヌカは、ニュージーランドの中で最も多い低木です。円錐状で4mの高さにまで成長しますが、その葉の形や花の大きさ、色は場所によって異なります。一方、カヌカの木は、マヌカの木と形に大きな違いはあまり見られないため、薪として販売されているマヌカは、殆どの場合、実はカヌカなのです。カヌカは20mの高さにまで成長しますので、マヌカに比べ、薪やオイルが量産できるからです。

では、似ているマヌカとカヌカをどのようにして見分けるのでしょうか?
その見分ける方法はあるのです。マヌカの葉は針状で鋭い形をしていますが、カヌカの葉は緩やかな形をしているのです。そして、マヌカの種子は5-10mmで数年間保持しますが、カヌカの種子は2-4mmで花が散った後、毎年、すぐに落下するのです。

[[ マヌカとカヌカの種子の違い ]]

また、マヌカの花の大きさ(8-12mm)は、カヌカの花の大きさ(3-5mm)の約3倍あります。マヌカは、一つ一つ独立して花を咲かせていますが、カヌカの場合は、枝の先まで花をびっしりとクラスター上に咲かせるのです。

[[ マヌカとカヌカの花の咲き方の違い ]]

カヌカに比べてマヌカの方が、その有効成分の点で利用価値は高いと考えられています。

マヌカは12月に4週間しか花を咲かせない貴重な花です。一方、カヌカは、9月から2月まで花を咲かせています。
いずれの花からもハチミツは作れますが、メチルグリオキサール(MGO)という口腔ケアや胃腸ケアに有効な抗菌物質が含まれているのは、マヌカハニーだけです。MGOを含まないカヌカハニーの方が安価に大量に生産できますので、マヌカハニーと偽って販売している業者もいるようです。気を付けましょう。

精油も生産量の点から同様のことが言えます。
マヌカオイルの収率は、マヌカの葉の乾燥重量の0.2%から1%の間で、一般的には0.5%位しか採れないのですが、カヌカの場合は、0.3%から2.1%の間で、一般的にはマヌカの倍の1.0%位採れます。
しかしながら、マヌカオイルには前回の『まめ知識』でも記述しましたが、トリケトンという素晴らしい抗菌物質が含まれているのです。菌などの病原菌に対して抗菌力を持ち、特に、黄色ブドウ球菌などのグラム陽性菌に対して強い抗菌力を持っているのです。
残念ながら、カヌカオイルにはトリケトンは含まれていないのです。

と、ここまで、マヌカオイルの方がカヌカオイルより優れている点のみを紹介しましたが、カヌカオイルにも素晴らしい点はあります。
それは、モノテルペン類を多く含んでいる点です。そのモノテルペン類の中でも、特に含有量の多いのはα-Pineneであり、その含有率は68%です。α-Pineneは双環性モノテルペンで、コリンエステラーゼ阻害作用を示し、神経末端のアセチルコリンの濃度を上昇させて副交感神経を興奮させ、アルツハイマー病等の認知症に有効であることが知られているのです。

ところで、市場ではマヌカのイメージが良いこともあって、カヌカオイルをwhite manuka oilとして、本当のマヌカオイルをred manuka oilとして販売されているようです。