日本マヌカハニー協会 一般社団法人 Japan Manuka Honey Association

マヌカハニーの選び方

マヌカハニーのラベルにはUMFやMGOなどいろいろな表示がありますが、何が違うのか、どの数値を選んだらよいのか、
ハチミツの品質基準となるHMFについて解説しながら、詳しくご紹介いたします。

マヌカハニーを選ぶポイント

POINT1 
抗菌活性を表記した商品を選ぶ

同じマヌカハニーでも抗菌活性は様々です。
抗菌活性を比べるために、商品のラベルにあるMGOの数値が表記されているか確かめましょう。

抗菌特性を示す等級

マヌカハニーのラベルに表示されているUMFやMGOはマヌカハニー独自の抗菌特性を表す等級です。
UMF、MGO、アクティブその他いろいろな種類がありますが、
ここでは歴史的な背景から、UMF等級とMGO等級に注目して2つの違いを説明します。

UMF等級とMGO等級の違い

マヌカハニーの抗菌特性が発見されたのは1990年代です。
この時点では、マヌカハニーの抗菌特性の成分は特定されておらず、
ピーター・モラン教授によって開発された「抗菌試験」で測定した等級を
UMF(Unique Manuka Factor:ユニーク・マヌカ・ファクター)で表示していました。

その後2006年にトーマス・ヘンレ教授がマヌカハニーの抗菌特性成分をメチルグリオキサール(MGO)と特定。
成分そのものの含有量を表すMGO等級を開発しました。

UMF等級

測定方法
一般のフェノール溶液(殺菌剤)とマヌカハニーの抗菌性をハロー法により比較し測定。

寒天培地に黄色ブドウ球菌を撒き、マヌカハニーまたは消毒液を入れ培養して評価。
  • 目視によって測定するためバラツキが発生しやすい
  • 特定の物質を測定する方法ではない

表示
フェノール溶液(殺菌剤)の濃度と比較した数字。
(例)UMF10+の場合、消毒液10%と同程度の抗菌性を示す。

MGO等級

測定方法
主要な抗菌成分メチルグリオキサールの濃度をHPLC試験で測定。

  • 自動化機械による精度の高い測定
  • 物質そのものが含まれている量を測定

表示
1kgあたりに含まれる量を数字で表示。
(例)MGO100+の場合、1kgに100mg以上の抗菌成分が含まれる。

上記表の測定方法の違いから、UMF等級は抗菌活性を比較した数値、MGO等級は抗菌成分の含有量の数値となります。
MGO等級は抗菌成分量そのものを測った数値のため、より正確な等級として現在使用されています。

より正確といわれるMGO等級でマヌカハニーを選んでみましょう。

POINT2 
使う目的から選ぶ

体にいいものを選びたい、とにかく美味しいハチミツが食べたい!など使う目的に合わせて選んでみましょう。

目的 MGO数値
手軽に美味しく栄養補給したい MGO30+
毎日マヌカハニーを続けたい MGO100+
美味しく体調管理したい MGO250+
美容と健康維持を目的とする MGO400+
抗菌性重視 MGO550+

目的にあわせてMGO数値で使い分けするなど、毎日の生活に取り入れてみましょう。

マヌカハニーの機能性についてはこちら

POINT3 
品質管理がされた商品を選ぶ

マヌカハニーは健康効果などから高価なハチミツのため、実際の抗菌性と異なる表記が行われていたり、
品質基準値が確かめられていない商品も残念ながら販売されております。
きちんと品質基準値(HMFなど)や抗菌活性(MGO数値)が確かめられた商品を選ぶことが大切です。

ハチミツの品質基準HMF 
~MGOとの関係~

マヌカハニーを選ぶ際に、ぜひ注目してもらいたい数値がヒドロキシメチルフルフラール(以下HMF)です。
国連の専門機関である国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同でつくった、
国際的な食品規格コーデックス(CODEX)ではハチミツの品質評価の基準値としてハチミツに含まれるHMFの数値が定められています。

HMFは糖や炭水化物に熱が加わることで生成される物質で、牛乳やフルーツジュース、
蒸留酒やハチミツなどの食品を加熱すると微量ながら生成することが知られています。

ハチミツも35℃以上の温度で加熱するとHMFが生成することが知られており、
HMFの濃度はハチミツが過度の加熱がされていないかの指標となっています。
また、コーデックスのハチミツ品質基準では、HMF40mg/kgと定められています。

参考:CODEX STANDARD FOR HONEY CODEX STAN 12-19811(PDF)

国際的食品規格コーデックス(CODEX)のハチミツ品質基準HMF 40mg/kg

MGOの数値とあわせてHMFが基準値内であるか確認しましょう。

MGOとHMFの関係

ハチミツに熱を加えるとHMFが増える事を前の項目で説明しましたが、
マヌカハニーの抗菌特性成分メチルグリオキサール(以下MGO)も熱を加えると濃度が上がる事がわかっています。
採れたてのマヌカハニーに含まれる抗菌特性成分MGOの量は少なく、
その代わりに1,3-ジヒドロキシアセトン(以下DHA)という成分が多く含まれており、
このDHAが貯蔵している間にMGOに変化することが知られています。
貯蔵温度が高いほどDHAから変化するMGOの生成速度と濃度が高まるのですが、HMFの濃度も上昇してしまうのです。

参考:Karyne M. Rogers et al., 2014, Journal of Agricultural and Food Chemistry, 62, 2615−2622.

図. 高温下におけるDHAの減少とMGOとHMFの増加について

マヌカハニーはMGO濃度が高いほど高価なマヌカハニーとして流通しています。
MGO濃度を高くするため、DHAを添加し高温下でマヌカハニーを長期保存しているという販売業者もいるといわれています。
このような処理を施した高濃度MGOのマヌカハニーはHMF含有量も高くなります。
HMFの数値で過度の加熱がされていないかを確認してマヌカハニーを選ぶ事をおすすめします。

当協会で行っているマヌカハニー製品のMGO・HMF含量分析調査についてはこちら