日本マヌカハニー協会 一般社団法人 Japan Manuka Honey Association
マヌカハニーとは

マヌカハニーの機能性

マヌカハニーはMGOをはじめ様々な成分が含まれており、テレビやインターネットでもその機能性が注目されています。
ここでは、科学的に示された抗菌作用や抗ウイルス作用などのマヌカハニーの機能性をご紹介します。

抗菌作用

抗菌作用とは、抗菌性ともいい、細菌の生育、増殖を抑えたり、細菌を死滅させる作用のことをいいます。
マヌカハニーには天然の抗菌成分MGOが含まれており、MGO100mg/kg以上で下記の菌に対する抗菌作用が確認されています。

  • 黄色ブドウ球菌
  • ストレプトコッカス・ミュータンス菌(虫歯の原因菌)
  • ヘリコパクター・ピロリ菌
  • 大腸菌
  • サルモネラ菌

その他の抗菌作用
アクネ菌(ニキビの原因菌)、口臭、歯周病の原因菌抑制作用、緑膿菌、霊菌、化膿連鎖球菌

コラム:歯垢および歯肉炎に及ぼすマヌカハニーの効果

抗ウイルス作用

ハチミツには抗ウイルス作用が考えられうるフラボノイドなどの活性成分が多数含まれていることが確認されています。特にマヌカハニーに含まれるMGOはタンパク質を糖化し変質させるので、タンパク質で出来ているウイルスの核を覆う膜(カプシド)やウイルスが人の細胞に侵入するための突起(スパイク)を壊しウイルスの増殖を抑える効果があります。

ウイルスの構造

ウイルスの構造

確認されている抗ウイルス作用
インフルエンザウイルス、風疹、水痘、帯状疱疹、ヘルペス

※新型コロナウイルスに対する有効性は現時点(2020/4/3)で報告されていません。

コラム:ハチミツの抗インフルエンザウイルス作用

善玉菌増殖作用

私たちの腸内に棲む細菌の中で体に有益な働きをするのがいわゆる善玉菌です。マヌカハニーは悪玉菌を攻撃して減らし、逆に善玉菌を活性化させ、腸内環境を改善することが知られています。

コラム:マヌカハニーによる腸内環境の改善

抗酸化作用

抗炎症作用

治癒効果

海外では医療機関でも使われているマヌカハニー
マヌカハニーはヘリコバクター・ピロリ菌に対する高い殺菌効果も学術的に立証されている他、糖尿病の併発症や長期療養患者の床擦れによる皮膚疾患などの治療にも、ニュージーランドやオーストラリア、欧米の医療機関では積極的に利用されています。

ニュージーランドではマヌカハニーを使った様々な治癒も行われています。

  • 創傷治療
  • 口臭予防、歯周病、口内疾患、扁桃腺炎の治療
  • 皮膚疾患(ニキビなどを含む)の治療
  • 十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃癌の予防・治療
  • 糖尿病の併発症、長期療養患者の床擦れによる皮膚疾患の治療

※日本国内ではマヌカハニーの医療目的での使用は認可されておりません。

コラム歯垢および歯肉炎に及ぼすマヌカハニーの効果

寝る前に甘いものを食べると虫歯になる、と聞いたことのある方も多いとおもいますが、マヌカハニーは虫歯を抑えてくれる珍しいハチミツです。
マヌカハニーを使った口腔ケアに関する研究をご紹介します。

試験方法

30人の被験者にハニーレザー(マヌカハニー含有棒状ガム)か、或いは、シュガーレスガムを無作為に15名ずつに与え、毎日3回、食後毎に10分間、噛んでもらった。

歯垢と歯肉炎出血スコアを試験期間21日の前後で記録した。

結果

ハニーレザー被験者
平均の歯垢スコア(P = 0.001)と出血部位%(P = 0.001)で有意な減少を示した。

シュガーレスガム被験者
歯垢スコア、出血部位%の何れも、何ら有意な変化を示さなかった。

(参考:English HK et al; Journal of the International Academy of Periodontology. 6(2)63(2004))

図1. 治療開始前および治療終了の平均歯垢スコア
図1. 治療開始前および治療終了の平均歯垢スコア
図2. 治療開始前および治療終了の出血部位%
図2. 治療開始前および治療終了の出血部位%

歯垢および歯肉炎に及ぼすマヌカハニーの効果の考察

マヌカハニーのこれまでに見いだされてきた主な抗菌作用には

  • ヘリコバクターピロリ菌(参考:AL Somai et al., 1994)
  • 腸球菌(参考:Cooper et al., 2002)
  • 黄色ブドウ球菌および大腸菌(参考:Willx et al, 1992)

等が挙げられています。

これらの研究は今回の研究の結果を支持し、マヌカハニーの抗菌性によって、歯垢と歯肉炎を減少させていると考えられます。
マヌカハニーグループの(歯垢スコアよりむしろ)出血スコアで見られるより大きな減少は抗菌作用と併せて、マヌカハニーの抗炎作用も示しています。
(抗菌作用は歯肉上の歯垢の量を減少させるものであると考えられています。)

他の研究例

マヌカハニーに歯周病や虫歯の原因菌に対して殺菌効果のあることが多くの研究で明らかになっています。
(参考:Steinberg et al. 1996; Theunissen et al. 2001; Molan, 2001)

プロポリスフラボノイド類のストレプトコッカス・ミュータンス菌に対する殺菌作用が多くの研究で明らかになっています。
(参考:Koo et al. Caries Res 2000; Koo et al. Curr Microbiol 2000; Bosio et al. 1995)

歯垢や歯肉炎は、口内の細菌が原因だといわれていますが、マヌカハニーに含まれるMGOとシリング酸メチルが、細菌や炎症を抑えると考えられています。

歯やお口の健康にもマヌカハニーは役立ちます。

コラムマヌカハニーによる腸内環境の改善

MGOを含むマヌカハニーは腸内の悪玉菌(病原菌)を除去するだけでなく良性のプロバイオティック腸内細菌を活性化するはたらきがあります。
(参考:Crop & Food Research Institute, a New Zealand Government research agency In December 2007, reported)

  マヌカハニー
単独
花粉
との併用
ローズヒップ
との併用
ブロッコリー
スプラウト
との併用
ブランクカラント
オイル
との併用








乳酸菌
L. reuteri
+++ ++++ +++ ++++ +++
ビフィズス菌
(HNO19)
++ ++++ + ++++ +++
乳酸菌
L. rhamnousus
++ +++ ++ +++ +




病原性大腸菌
(O-157)
サルモネラ菌
(ATCC1772)

コラムハチミツの抗インフルエンザウイルス作用

長崎大学の研究グループがハチミツの抗インフルエンザウイルス作用、および既存の抗インフルエンザウイルス薬との併用効果の検証を行ないました。レンゲ、アカシアなど各種ハチミツを用いて実験した結果、マヌカハニーが最も高い抗ウイルス作用があることが確認されています。その実験内容をご紹介します。

実験内容

インフルエンザウイルスを培養細胞に感染させレンゲ、アカシア、甘露、そば、マヌカのハチミツを加えウイルスの感染を阻止する濃度(IC50)を調べました。

IC50(50%ウイルス阻止濃度)とは
培養細胞のウイルス感染を50%阻止する濃度でこの値が低いほど阻止する力が高いことを示します。

図1. 各種ハチミツによる50%インフルエンザウイルス阻止濃度
図1. 各種ハチミツによる50%
インフルエンザウイルス阻止濃度

図1よりマヌカハニーが最も高い抗ウイルス作用が示されています。また、抗ウイルス薬のリレンザやタミフルとマヌカハニーを併用した場合の検証では、リレンザ、タミフルの単独使用とマヌカハニーとの併用を比較しました。リレンザやタミフルの使用量を100分の1近くまで減らしてもマヌカハニーを併用した場合、同等の抗ウイルス効果が得られることがわかっています。

図2. マヌカハニーを併用した際のリレンザのIC50の相対値
図2. マヌカハニーを併用した際の
リレンザのIC50の相対値
図3. マヌカハニーを併用した際のタミフルのIC50の相対値
図3. マヌカハニーを併用した際の
タミフルのIC50の相対値

(参考:Original Article: Anti-influenza Viral Effects of Honey In Vitro: Potent High Activity of Manuka Honey, K. Watanabe, R. Rahmasari, A. Matsunaga, T. Haruyama, and N. Kobayashi, Archives of Medical Research (2014))

ハチミツには抗ウイルス作用が考えられうる活性成分がフラボノイドなど多数含まれています。含有量に関しては各種ハチミツに大きな差はありませんが、MGOの含有量に関してはマヌカハニーが100mg~1000mg/kg以上に対して他のそれ以外のハチミツは0mg~10mg/kg程度になり、実験の結果よりマヌカハニーに含まれるMGOの影響が大きい事がわかります。